犬を留守番させる時って、いつも少し不安になるわ
いつもはどうしてるんだい?
色々構わずにこっそり出たほうがいいって聞いたことがあって、、
うん、そういったことがよく言われているね
でも、家族に挨拶しないっていうのもなんだか変な気がしてしまうわ
実は最近の調査では、声を掛けたり、撫でたりすることが愛犬の心を落ち着かせる効果があるらしい、ということがわかりつつあるんだよ
声を掛けても良いの?
愛犬のことをよく観察して、問題なさそうならそうすれば良いんだよ
そうなんだ、少しほっとしたわ
誰かに「いってらっしゃい」って言って欲しいでしょ?
それも確かにあるね
目次
留守番の時に声を掛けてはいけない?
「犬を留守番をさせるときは、声をかけずにそっと家を出た方が良い」 ということを聞いたことがあるかも知れません。 分離不安のリスクがあるため、 何もなかったかのように家を出て 帰宅時も大げさにせず無視した方が良いというものです。 実はこのアドバイスには、科学的な裏付けがありません。 その一方で、むしろ声をかけた方が犬を落ち着かせる上で、 プラスの効果がありそうという調査結果が出つつあります。
10匹の犬たちに行われた2つのテスト
2つのテスト内容
- 飼い主が1分の間、犬を撫でてから立ち去る(不在時間は3分)
- 飼い主が1分の間、犬を無視してから立ち去る(不在時間は3分)
モニター犬の条件
- 1歳以上
- 分離不安のない犬
- 家族に迎え入れられて6ヶ月以上が経過
- 飼い主さんによく撫でられている
- 留守番前に撫でられる習慣がない
測定項目
- 飼い主が不在中の犬の行動の観察
- 飼い主不在前後の犬の心拍数
- 不在後の唾液のコルチゾールのレベル
結果
- テスト1,2 ともに、唾液中のコルチゾールレベルは低かった ※コルチゾールのレベルが低い≒ストレスが低い状態
- ストレスを感じる行動はなかった
- テスト1, 2とも飼い主を探すことに長い時間をかけた(不在の3分間のうち90秒程度)
- テスト1の方が、不在中に穏やかな行動を示す時間が長く、心拍数も低かった
研究調査の結論
- 飼い主が外出前に、犬を撫でることが留守番中の犬のストレス軽減になるという決定的な証拠は得られなかった。
- 飼い主が外出前に無視するよりも、優しく撫でた方が犬が行動が穏やかになる傾向がある
- 分離不安の犬に対しては調査外のため継続調査が必要
さらに、この結果を受け、追従実験が行われており、さらに次のことがわかっています。
なお、この追従実験には分離不安を抱える犬たちも含まれています。
追従実験の結果
- 外出前に「そっと声をかけること」は「撫でること」と同じような鎮静効果がある
- 分離不安の犬には、声掛けよりも撫でることの方が鎮静効果が高い
著者らは、犬の性格にもよるため、これらを一般化すべきではないとしながらも、
「外出前に無視するよりも、撫でた方が良い犬もいる」としています。
まとめ
科学的な結論はまだ十分には出ていないようですが、
「いってきます」や「ただいま」と言ったり、優しく撫でるなどのスキンシップをとること自体は
必ずしも避けるべき行動ではないというのが現時点の科学的な見解です。
参考文献
Journal of Veterinary Behavior, Volume 27, September–October 2018, Pages 41-46