これから犬を迎えようとしているかたは、愛犬との暮らしに夢が膨らみますよね。
愛犬との暮らしは楽しいことが多いですが、一方で後になってから問題と感じてしまうこともあります。
事前にどんなことを知れば良いか、疑問に思われる方もいらっしゃると思います。
本、ネット、SNSなど様々な媒体で「愛犬を迎えるための⚪︎⚪︎」のようなハウツーがあります。
どれも一理あるのもなのだと感じます。
ご自身で色々とお調べになってみると良いでしょう。
私が思う愛犬を迎えるために必要なものはタイトルにある「3つのゆとり」だと考えています。
3つのゆとりが、十分にこれらが足りているかを考えていただくと、
今が愛犬を迎えるタイミングであるかどうかを、冷静に判断できるのではないかと感じます。
ご参考となれば幸いです。
犬と暮らす上で必要なもの
- 時間のゆとり
- 経済的なゆとり
- こころのゆとり
時間のゆとり
人の赤ちゃんには月齢という言葉がよく使われますが、犬の世界では週齢がよく使われます。
これは、犬の成長が週単位で目まぐるしく変わることを示しています。
犬は9ヶ月〜1歳6か月程度で成犬になります。
人(日本人)の成人が18歳ですから、比べるといかに成長が早いかわかります。
よく「人間でいうと⚪︎⚪︎歳」と聞くことがよくありますよね。
人の5倍や6倍の早さとも言われます。
それだけあっという間に成長していきます。
人間の子育てはじっくりと時間がかかりますが、
それとは異なり、犬には、社会化、トイレトレーニング、家庭でのルール作りなど、
短期集中で時間が必要となります。
特にパピーから迎える場合は、週齢、月齢が低い頃に多くのことを習得しやすいことは
周知の事実となっています。
それだけに、迎えた瞬間から多くの時間が飼い主さんには求められます。
これが「1つ目のゆとり、時間のゆとり」です。
また成犬として迎える場合でも、
新しい環境に慣れるためには、
飼い主さんが愛犬のために使うことのできる時間が必要です。
この期間に何よりも大切なのは、
飼い主さんから与えられる安心感を感じ、信頼関係を築くことです。
飼い主さん、いま愛犬を迎えるための「時間のゆとり」はあるでしょうか?
経済的なゆとり
多くの説明は不要と思いますが、
ご飯、予防接種、病院、保険、衣服、介護、おもちゃ、おやつ、トリミングなど費用がかかります。
犬種、サイズにより、多寡はありますが年間で10万円は下回ることはないでしょう。
愛犬との暮らす上でのかかる費用については、お迎えする前に把握しておくのが望ましいです。
犬の寿命を含め、年間どのくらい必要かな?と試算しておくことは飼い主にとっても家族にとっても
大切なことだと思います。
特に病気になった際の費用は高額になりますから、保険への加入についても十分に検討する必要があります。
人よりも保険代が高い、なんてことも普通にあります。
経済的に厳しいからという理由で、治療できる病気を悪化させてしまうことは、
「5つの自由」の、痛み・損傷・疾病からの自由にも反する行為となってしまいます。
金銭的に余裕のある場合は問題ありませんが、
飼い主さんやそのご家族の暮らしもありますから、当然なにもかも無制限にとはいかない場合もあると思います。
そのためにも飼い主さん、その家族と話し合い、
どこまでの費用負担とするのか納得感をもっておくことも大切なことです。
飼い主さんにとって「経済的なゆとり」とはどんなものでしょうか。
こころのゆとり
一般的に言われる、「ゆとり」です。
もしかしたら、これが1番大切なことかもしれません。
人と犬は1万年前からの友人と言われますが、犬は決して人ではありません。思い通りにはなりません。
トイレがうまくできない、吠える、ご飯を食べない、家具を噛む、など。
いわゆる、“しつけがうまくいかない”、というようなことも起こりえます。
もう1度言います。
犬は人ではありませんから、思い通りにはなりません。
人も決して思い通りにはなりませんが、
お互いの共通言語を持たない愛犬はなおさらです。
こんなはずじゃなかった。
どうして?とイライラしたり、絶望を感じてしまうこともあると思います。
受け入れられないかもしれません。
それでも家族として迎え入れると一度決めたなら、
どうぞ受け入れてあげてください。
もし受け入れられる余裕がないのであれば、
3つのゆとりのうちのどれかが十分ではないのかもしれません。
飼い主さん、いま「こころのゆとり」はありそうでしょうか?
まとめ
私の考える「愛犬を迎えるための3つのゆとり」を記しました。
これら3つのゆとりは、実は繋がっていると感じています。
こころのゆとりを持とうと思っても、
時間がなければイライラもします。
こころのゆとりを持とうと思っても、
先立つものがなければ焦ってしまいます。
時間、お金、こころ、足りていますか?
決して絶対的な指標があるものではないと思います。
ぜひ飼い主さんご自身で、「3つのゆとり」が足りているかどうかを考えてみてください。
すべての飼い主さんと愛犬にとって、”よりベターな暮らし”となることを願っています。
参考文献
イヌの動物行動学 行動・進化・認知 アダム・ミクロシ(2014)
What to Consider Before Getting a Dog